旦那との出会いを小説風にしてみた①
昔むかし、あるところにライブに行くのが大好きな女子高生がいました。
その女子高生は、ガングロギャルでもありませんでしたし
かといって浜崎あゆみに憧れるような白ギャルでもありませんでした。
むしろ、アニメや漫画、ロリィタファッションに憧れるヲタクなサブカル女子でした。
人と違うことをついつい選択しがちで学校では浮いた存在でしたが
本人はそう気にすることはなく、自分の好きなおしゃれや趣味に没頭する頑固で気の強い女の子でした。
そんな女子高生は音楽プロデューサーである浅倉大介がプロデュースするアーティストのライブに行くのが好きでした。
ライブに行くと趣味の合う友人たちと楽しく遊ぶことができました。
ライブのない日も、そんな友人達とCDショップを巡ったり、ライブ曲の振り付けの練習をして遊んでいました。
今日も今日とて、浅倉大介プロデュースのサカノウエヨースケのライブでした。
場所は神戸スタークラブ。高架下の小さなライブハウスです。
サカノウエヨースケはどちらかというとシンガーソングライター寄りな、アコースティックでPOPなノリのアーティストで、
女子高生にとっては今までの浅倉大介のプロデュースしたどのアーティストよりも親近感がわき、また本人の人柄やライブの盛り上げ方に感動し、
女子高生にとってかなりのあこがれの存在となっていました。
そんなサカノウエヨースケはまだ新人ということもあってか。
ソロツアーなのに、ライブはすべて対バン形式でした。
今まで大きなホールやシアターでのワンマンライブばかり行っていた女子高生にとって
小さなライブハウスも対バンも初めての経験でした。
女子高生は自分の世界が広がるということにこのころ毎日ドキドキしていたのです。
もっともっと自分の世界を広げたい!
女子高生はそう思っていました。
人付き合いの苦手な女子高生は、一つの世界に固執したとき、そこで人付き合いをミスしてしまうと取り返しのつかない絶望に襲われるのですが、たくさん世界を持っていれば別の世界で人付き合いのバランスをとることができ、絶望も少なく生きていけると考えていたのです。
*
今日のライブも最高でした。そして知らないバンドにも出会えました。
それは若手のロックバンドでした。
女子高生ははじめて「ロックバンド」の生演奏を聞いたのです。
女子高生にとってそれは衝撃でした。今までもちろん大きなホールでバンド編成で歌うたくさんのアーティストたちを見てきましたが、
本当に楽器の生音だけのライブは、それとはまた少し違った気がしました。
その若手ロックバンドに感動した女子高生は、とても興奮していて何かもっと自分の世界を広げるために何かしたくてウズウズしていました。
そんな気持ちのまま、ライブハウスのロビーに出ると、
なんとそこにさっきの若手ロックバンドのメンバーたちがいました。
今までメジャーアーティストのライブばかりだったので、
このように終演後ロビーでアーティストと触れ合えるというのを見たことなかった女子高生はびっくりしました。
もう女子高生はこれは最大のチャンスだ!とそのバンドマンに向かっていきました
「すみません!今日のライブ見て、とても感動しました!!!あなたたちのライブ、ほかにどこで見れますか??」
バンドマンはちょっとびっくりしていましたが、
「毎週日曜に城天で路上ライブしてるので見に来てください」
と、教えてくれました。
城天とは「大阪城公園前ストリート天国」と呼ばれる、つんく♂率いるシャ乱Qが始めた、毎週日曜に大阪城ホール前の一本道でバンドたちがブースごとにわかれて路上ライブをするものでした。
その若手ロックバンドはシャ乱Qがつくった路上ライブブース「すっぽんファミリー」の一員のバンドでした。
そして、サカノウエヨースケも同じく、もともとすっぽんファミリーの一員のライブバンドにいたことを、後々女子高生は知るのでした。
「城天」という、新しい世界を感じさせるワードに
女子高生はドキドキとワクワクを隠せず、
次の日曜日に一人で行こう!!と決意を固くするのでした・・・・。
つづく。
・・・旦那がまだ出てきていない(笑)